生前に知っておくべき葬儀

遺族が未成年者しかいない葬儀は誰がするの?

遺族が未成年者しかいない葬儀は誰がするの? 通常、葬儀は亡くなられた方の遺族が行います。しかし、遺族が未成年者しかいない場合は要注意です。葬儀は葬儀業者に依頼して行いますが、この依頼もれっきとした契約です。

しかし未成年者は独自に契約を有効に行うことは出来ず、親権者の同意又は親権者が代わって行わなければなりません。
親権者の同意がなく勝手に未成年者が契約を行った場合、後から取消することが出来ます。しかし、遺族が未成年者しかいないということは当然、親権者たる父母もいないという事になります。

親権者がいないから未成年者と直接契約して良いように思えますが駄目です。親権者がいなくても、未成年者は単独で契約を有効にできないことには変わりありません。

従って、葬儀会社の方は、遺族が未成年者しかいない場合に、誰と契約をするのか注意を払う必要があります。現実的には、未成年者の親族(祖父母・叔父叔母等)が葬儀会社と契約をして葬儀を行う事になります。なおこの際、遺族である未成年者を形式的な喪主とすることには何ら問題ありません。

その後、葬儀費用を遺族である未成年者から返還してもらいたい時は、どうすれば良いでしょうか?この場合法律的には、親権者の代わりに未成年後見人の選任の申立てを裁判所に行い、未成年後見人が未成年者を選任してもらいます。
そして選任された未成年後見人からかかった葬儀費用を返還してもらいます。この返還を受けるためには、かかった葬儀費用を証明するために葬儀会社からの領収書は大切に保管しておきましょう。なおこの申立から選任までには通常1か月から2か月程度かかります。

最後に、未成年者に関する重大な改正が2022年4月1日に控えています。それは未成年者の成人年齢の引き下げです。
2022年4月1日から成人年齢が18歳以上とされ、18歳以上の者は単独で有効な契約を締結することができます
つまり、2022年3月31日までは、18歳以上20歳未満は未成年者なので契約して葬儀を行うことが出来ませんが、2022年4月1日以降は、18歳以上20歳未満でも単独で契約して葬儀を行う事ができます。