生前に知っておくべき葬儀

日本と異なるアメリカの楽しい葬儀

日本と異なるアメリカの楽しい葬儀 日本の葬儀の場合、厳粛な雰囲気の中で粛々と行うのが一般的ですが、アメリカの場合は異なり雰囲気が明るいというのが特徴です。楽しい思い出話をしたり、中には大声で笑う人もいます。
何故ならアメリカ人にとって葬儀は、大切な人が亡くなったという悲しみを親族や友人と共有するものというよりも、亡くなった人の新たな旅立ちを祝う儀式として捉えられているからです。


中でもルイジアナ州ニューオーリンズで行われているジャズ葬はアメリカの中でも特に明るい葬儀として有名です。
ニューオーリンズはジャズ発祥の地という事もあり、葬儀でもジャズが根付いています。亡くなった人が天国へ旅立つ事を祝福する儀式として、沢山の人が棺を墓地まで運んで、親族や知人が葬列を作ります。

こうした形は西洋の葬儀の基本的な形ですが、ニューオーリンズのジャズ葬の場合は棺を運ぶ道中でブラスバンドがジャズを演奏し、参列者もそれに合わせてお祭り騒ぎをするというのが特徴です。中には棺を激しく揺さぶったりして盛り上げる時もある位なので驚きです。ただずっと賑やかという事でもありません。

墓地へ遺体を運ぶ時は静かな曲を流し、そして墓地からの帰りは賑やかな曲を演奏するという風に行きと帰りで流す音楽が異なるというのも特徴です。


何故このようなジャズ葬が行われるようになったかというと、悲しい歴史があります。元々は厳しい労働環境に強いられていた奴隷階級の人達が、死は決して悲しい事ではなく奴隷からの解放であるという考えから祝いとして葬儀が行われるようになったという説が有力です。
またニューオーリンズという土地は湿地帯である事から、昔から伝染病が絶えず、いつ病気で命を落とすか分からないという過酷な環境だったというのも理由の1つとして挙げられます。
このようにアメリカで行われる明るい葬儀は日本人からすると不謹慎と感じる場合もありますが、住む国によって文化は異なりますし、死に対する認識も異なるという事は知っておくと良いです。